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「しゃがむと膝が痛い」曲げた膝が痛むときに考えられる疾患8つ

「しゃがむと膝が痛い」という人へ 曲げた膝が痛むときに考えられる疾患8つを紹介します。
しゃがんだりする際、膝を曲げたときに痛むと日常生活で辛いですよね。
どのようなことが原因で起こるのでしょうか。原因の他、症状の特徴や治療方法なども、書いていますので膝の痛みにお悩みの方はチェックしてみてください。

本記事は正確な診断を行うものではございません。あくまで参考までとし、疑わしいと感じた場合は早めに整形外科を受診しましょう。

しゃがむと膝が痛い疾患 1、半月板損傷

半月板は、膝関節の大腿骨と脛骨の間にあるアルファベットのCのような形をした軟骨組織。1つの膝につき2つあり、膝が滑らかに動くよう補助をする役割があります。

この半月板が損傷することを『半月板損傷』といい、主にスポーツでの活動によって起こりやすいです。
半月板は膝を安定させる役割+潤滑材になっているとても大事な組織のため、損傷してしまうと膝の負担や衝撃を分散・吸収できなくなってしまい、色々な弊害をもたらすことになるのです。

症状

半月板損傷の主な症状は、膝の痛みに加え、膝を曲げたり伸ばしたりする際に引っかかり感を感じます。
関節の動きを滑らかにする組織のため、損傷により動きが阻害されてしまうのです。半月板損傷になった直後はうずくまってしまう程の大きな痛みを感じるのが特徴です。
重度の場合には、膝を一定角度以上に曲げ伸ばしができなくなるロッキングという状態になることがあります。これは損傷した際に半月板の一部がちぎれ、そのちぎれた部分が関節内に挟まることによっておきてしまいます。

半月板損傷の特徴として、適切な治療を受けなくても痛まなくなることがあります。
しかし、ロッキングの症状が残ってしまったり、放置することで今後、『変形性膝関節症』に移行してしまったりすることがあります。半月板損傷の疑いがある場合、必ず整形外科へ行き受診、適切な治療を受けるようにしましょう。

原因

半月板損傷の原因は、膝に負担がかかりやすい激しいスポーツ活動の際に起こりやすいです。
バスケットボールやラグビーなど、急な切り替えしをしたり、相手選手と接触したりする可能性があるようなスポーツが挙げられます。膝に強い衝撃がかかることで半月板にも負荷がかかり、衝撃に耐えきれずに半月板が損傷してしまうのです。

その他、激しいスポーツ以外でも加齢や運動不足により半月板が傷つきやすくなっていたり、すり減っていたりするときは、思いがけない軽微な運動でも半月板が損傷してしまうことがあります。加齢を感じたら、勢いよく踏み込むなど負担をかけないよう注意しましょう。

治療方法

半月板は他の体組織と比べると血流が少ないため、ほとんど自己修復が見られません。
そのため、損傷した際は自然治癒がしにくい部位の一つです。治療方法は、損傷部位を手術により切除し、縫合をするという内容になることが多いです。

バイオセラピー

医師の判断と患部の状況にもよりますが、自己組織の活用や、再生医療を利用した治療である『バイオセラピー』を選択することがあります。そのものの再生は難しいとされていますが、損傷から来る炎症に対する沈静の効果があり、症状が改善しやすいように環境を整える効果があると考えられています。

ただし、手術とは違って効果に個人差があることや、バイオセラピーを半月板損傷に利用した実績が少ないため、効果や原理等についてはまだ未解明の部分も多くなっています。

しゃがむと膝が痛い疾患 2、腸脛靭帯炎(ランナー膝)

腸脛靭帯炎は、主にランニング・ジョギングにより膝が痛くなることから通称ランナー膝と呼ばれます。
過度な運動・膝の使いすぎが原因による発症が多いことが特徴です。

症状

ランナー膝の特徴には、膝の外側に感じる痛みがあります。
疾患名である腸脛靭帯は、太ももの外側にあり、膝関節を通って脛骨にある筋繊維のことです。ランニングなどの運動によりこの腸脛靭帯と膝関節が何度も擦れることで炎症を起こし、痛みを伴うようになるのです。

初期は運動中や運動後に痛みを感じるようになります。症状が悪化すると、歩行時や横になっていても痛むという状況になってしまいます。

原因

ランナー膝は膝の過度な使いすぎが原因で起こります。
ランニング・ジョギング・サイクリングなどを過度に行うことでなることが多いです。痛む際、本来であればしばらく安静にすることで回復します。
しかし、スポーツ選手や趣味で膝を酷使してしまうことで悪化してしまいます。

治療

原因の多くは膝の使いすぎによるもの。痛み出したらまずは安静にすることが大切です。
運動を行っている方は一時的に休止するようにします。安静にして落ち着いたのち、リハビリを行うという治療が一般的ではありますが、痛みが強い場合は鎮痛剤や体外衝撃波治療などを行いながら治療をしていきます。

その他に考えられる原因として、骨盤の歪みです。
骨盤の上側が閉じて下側が開くパターンと、骨盤が後ろに傾くパターンが考えられます。立ち姿勢で脚が外に開いて脚幅が広い人や、膝がやや曲がり気味の人がこれに当てはまります。
痛みがでない範囲で骨盤の歪みを整えるエクササイズをやってみましょう!

しゃがむと膝が痛い疾患 3、関節リウマチ

関節リウマチは、体内に侵入した病原体を退治する免疫機能が、関節を覆う『滑膜』の部分を攻撃してしまうという免疫系の疾患のことです。関節は滑膜で覆われていますが、滑膜に炎症が起き、軟骨や骨などが破壊されていってしまう免疫疾患を関節リウマチといいます。
関節リウマチが疑われる場合、膝に起きる症状は、痛みや腫れとして自覚されることが多いです。

症状

特徴は、一か所ではなく膝・肩・手・足・肘など全身の関節で同時多発的に変形・痛み・歪みなどの症状が出ることです。
膝は比較的痛みに気づきやすい部分ですが、実は気づかないうちに全身に症状が出ていることがあり、検査をしてみると関節リウマチが見つかったということがあります。
症状は左右対称に出ることが多く、特徴的なのは手指の変形など外見的にも見てわかる変化があることが多かったり、関節がゴワゴワとこわばっていたりすることです。この症状が見られたらリウマチの検査をするようにしましょう。

原因

関節リウマチの原因は解明されていませんが、家系での罹患率が高かったり、二卵性双生児よりも一卵性双生児の双子のほうが共に発生しやすかったりと遺伝的な要因が示唆されています。
その他には、喫煙習慣や歯周病などとの関連もあると言われています。

治療

関節リウマチには原因が解明されていないこともあり、残念ながら根本的な治療法は見つかっていないのが現状です。
そのため、抗リウマチ薬などを投薬し、炎症をできるだけ防ぎ日常生活を問題なく送れるような状態を目指す対処療法がとられます。

また、近年の治療法ではバイオ製剤も注目されています。
バイオ製剤とは、生物由来のタンパク質を応用して作られる薬品です。これはリウマチの、関節破壊を防止する効果が優れているとされています。1割程度ほどの低確率ではあるものの、完治することができた症例もあるようです。
注意点として、破壊を抑えるという効果は、免疫能力を抑制することでもあります。そのため、結核や肺炎などの重症感染症には注意が必要になります。

その他の治療方法として、進行が激しい場合、損傷してしまった関節の部分を人工物に入れ替えることで進行を防ぐことを目的とした、人工関節置換術という方法もあります。

しゃがむと膝が痛い疾患 4、ベーカー嚢腫

ベーカー嚢腫という疾患は、膝の裏にポコっとしたふくらみができるものをいいます。
ふくらみの内容物は、関節内にもともと存在する液体をいいますが、これに異常が起き膝裏にその液体が溜まってしまうことでふくらみが生じます。

症状

前述したような膝裏の腫れに気づくことが自覚症状の場合が多く、大きいときには握りこぶし大まで膨れることもあります。また、膝を曲げたときに違和感を覚えたり、痛んだりすることも症状の一つになります。

重篤な症状の際には、膝裏にある坐骨神経を圧迫することで足が痺れたと感じる状態になることがあります。他にもこの嚢腫に圧力がかかってしまうことで破裂することがあります。その際は、ふくらはぎ部分が腫れたり、痛んだりしますが、経過観察のみで軽快することがあります。

原因

関節内には水分を含みクッションのような役割をしている滑液包という組織があります。
この組織がなんらかの原因により、一部が癒着、異常に膨らんでしまうことが原因です。このベーカー嚢腫では、9割の人に関節リウマチや変形性膝関節症を併発しているため、別の疾患の影響でできているのではないかと推測されます。

治療

まずは、穿刺という針で水を抜く対処療法を行いますが、繰り返し発症することがあるため、外科的用法で嚢腫ごと摘出をする検討がなされます。
しかし、このベーカー嚢腫は別の疾患を発症しているサインになることが非常に多いため、その疾患を見つけ、治療を行いつつ、経過を見る、という治療を行うこともあります。

しゃがむと膝が痛い疾患 5、膝靭帯損傷

靭帯はコラーゲンでできている繊維組織です。
この繊維組織は関節の可動域を制限する役割があり、関節の強度を保っています。膝の関節には、大腿骨と脛骨を繋ぐ靭帯が4本あり、その部分が損傷・断裂することを膝靭帯損傷と呼びます。

症状

靭帯の損傷が起こると、激しい痛みが生じるのが特徴です。
靭帯は、関節を安定させる役割があるため、膝の靭帯に損傷断裂が起こると膝関節に不安定感を覚えたり、膝に力が入らなかったり、上手く動かすことができないという症状が見られます。他には、膝関節に出血が溜まってしまい、腫れることがあります。

膝靭帯を損傷した際、放置しているだけで痛みが引くことがあります。
しかし、治療をせずに放置した結果、膝関節の痛みが引いたとしても損傷断裂から治癒したわけではありません。膝を安定化させる装置が壊れている状態ですので、別の組織に負荷がかかることで別の部位が損傷することがあります。
また、長年に渡って放置することで変形性膝関節症になりやすくなるなど、別の疾患に繋がってしまうこともあります。ですので、靭帯を損傷してしまった可能性があるのであれば早めに診察を受け適切な治療をしましょう。

原因

主に膝に大きく負荷がかかってしまうことで発生します。
例えば、コンタクトスポーツと呼ばれる、他の選手とぶつかるなど、膝に大きく負担がかかりやすいラグビーやバスケットボールなどで多いです。他にも、交通事故など、不慮の事故で膝を激しく痛めた際に起きることもあります。
その他には、加齢や運動不足で靭帯の強度が弱ってしまっているときには、思わぬ負荷が原因で靭帯が損傷・断裂してしまうこともあります。

治療

軽傷な場合はサポーターやギプスを使用し、さらなる悪化を防ぐようにした後、リハビリによって自己治癒を目指す治療が行われます。
しかし、損傷の程度や部位によっては手術が必要になることもあります。その場合には、膝に小さく穴を開け、関節用の内視鏡を用いた手術を行います。断裂した靭帯部分を縫合したり、再建を行ったりすることもあります。

近年ではバイオセラピーなどの再生医療を活用する場合もあります。損傷した部位に成長因子などを注入すると、損傷してしまった靭帯に対して自己治癒能力を促進させることを期待できるのです。

しゃがむと膝が痛い疾患 6、変形性膝関節症

変形性膝関節症は、日本において約2530万人の方が罹っているといわれています。
60歳以上では男性では約45%、女性では約70%の方に変形性膝関節症の疑いがあります。加齢とともに膝が痛むようになったのであれば、まず疑うべき疾患でしょう。この疾患は軟骨がすり減ってしまい、関節や骨、脚の変形を引き起こしてしまいます。

症状

日常的なしゃがむ動作、椅子などから立ち上がる際、何かを持ち上げる際など、膝を曲げる動作で痛みや違和感を覚えます。
最初は朝、布団からの起きあがるときや歩行をしているときなどに、一時的に膝が痛むことや違和感を覚えるくらいの症状です。
しかし、進行していくと階段の上り下りなどが困難になっていき、更に酷くなると最後には横になっている状態でも痛むようになってしまいます。
変形性膝関節症という名前がついているように、脚が徐々に変形していき、極度のO脚へ変形し、衣服を着用していてもわかる程になってしまうことがあります。
膝が痛いことを理由に、外出をすることや運動することを避けるようになり、その結果高齢が認知症になってしまうことも。老化現象だからと楽観視して諦めずに、しっかりと治療に取り組むようにしましょう。

原因

主な原因は加齢です。
年齢が進むにつれ関節の軟骨部分にダメージが蓄積されてしまい、その結果変形性膝関節症になってしまうのです。変形性膝関節症は、男性と比べると女性が発症しやすくなっていて、患者の約8割が女性と言われています。

治療

保存療法として検討されるのは、基礎的かつ重要なリハビリなどの運動療法や、湿布・痛み止めの内服などによる薬物療法になります。

手術

症状が重篤で日常生活に支障が出ていることが認められる場合には手術が検討されることになります。
その一つは、人工関節置換術です。変形性膝関節症が原因で傷んだ膝部分の関節を人工関節と入れ替える手術になります。痛みを低減し、関節本来の運動機能を取り戻すことを目的としています。

他にも関節鏡視下手術・骨切り術があり、進行度や症状、本人の要望によって検討されます。

再生医療

変形性膝関節症には、再生医療などが活用され始めています。
薬剤を使用するよりも効果には個人差があることではありますが、治療後の効果持続期間が長いとされ注目されています。
この治療と並行してリハビリなどの運動療法に取り組み、膝の筋肉を根本から鍛えていくことで筋肉が膝負担を軽減してくれ、進行の予防や、症状の改善を目指すことができるのです。

しゃがむと膝が痛い疾患 7、ジャンパー膝(膝蓋腱炎)

ジャンパー膝は、その名の通り、ジャンプの動作を繰り返すことで起きるスポーツ外傷の一つです。
膝の皿と呼ばれて「膝蓋骨」に付着し、膝を曲げる際の役割をする結合組織、『腱』が痛んでしまう病気です。

激しいスポーツをしていると、膝蓋骨に付着している腱の部分に気づかないような細かい損傷ができ、これが月日が経つにつれて蓄積されていきます。本来であれば適切な休息をとることで修復されるようにできているのですが、スポーツ選手など激しいスポーツを休む暇もなく、長期間続けているような方では細かい損傷を修復することができず、そのうちに炎症に発展、痛みを症状とするジャンパー膝へと発展していってしまいます。

症状

痛みが主な症状です。膝蓋骨の上下を押すことで痛みがあったり、重症の際には安静にしていても痛んでしまったりする様子が見られます。痛みの他、腫れたり患部が熱を持ったりします。

多くの場合うつ伏せの状態で膝を曲げようとした際、前もものほうに強い痛みがあり、その痛みを逃すためにお尻が上がっていく尻上がり現象というもの見られるのが特徴になっています。

原因

主に過度な膝の使いすぎによるものが原因です。膝蓋腱という部分の役割は膝を伸ばすこと。
診断名の由来になっているジャンプの動作は、膝を急激に縮め、伸ばすために負担がおおきくなり、痛めやすくなっています。
そのため、ジャンプの動作を繰り返し行うことは、膝蓋腱の部分にとって大きく負担となります。

治療

ジャンパー膝の原因は、前述したとおり膝の使いすぎによるものになります。
そのため、まずは安静にすることが求められます。
安静にした後、リハビリを行ったり、太ももなどの筋力トレーニングを行い再発防止を努めたりして、他の筋力の部分で負荷を支えられるようにしていきます。
その他、超音波治療や手術も検討していきます。

しゃがむと膝が痛い疾患 8、鵞足炎

膝の内側に痛みを感じる場合、鵞足炎という疾患の疑いがあります。膝にある鵞足という部位に炎症が起きている状態です。
鵞足とは、膝を曲げたり伸ばしたりする際に対し働く、薄筋・縫工筋・半腱様筋という名前の3つの筋腱がくっついている部位のことをいいます。
膝の内側下、約5cmの場所に位置していて、ガチョウの足のように見えることから“鵞足”と呼ばれているのです。

この『鵞足炎』はスポーツをしている人に多い疾患です。ジョギングなど膝の曲げ伸ばしがある運動の際、膝の使いすぎによって発症しやすいです。適切な休息をとりながらスポーツをすることが予防に繋がります。

症状

膝の内側に痛みを感じるようになります。特に特徴的なのは、以下のような症状になります。

・運動後に膝の内側に痛みがある
・痛みに加え、腫れを伴っている
・痛んでいる箇所に、熱を感じる
・安静にしているときにも痛みを感じることがある
・膝の内側、約5cm下を押すと痛む
・膝を曲げ伸ばしするときに膝の内側部分が痛む(ズキンとした痛み)

原因

原因はハードな運動によっておきる膝の使いすぎによるものです。
主なスポーツではバスケ・サッカー・ランニング・水泳などを原因になりやすいです。

治療

膝の使いすぎが原因のため、急性期では、まずスポーツを休み、安静にして十分に休息を取るようにしましょう。
その他に痛みを伴う部分には氷嚢などを使用しながらアイシングをすることもいいでしょう。その後、症状が落ち着いたところで、ストレッチ・マッサージ・リハビリに取り組むようにします。
理学療法士やスポーツトレーナーと相談し、今後鵞足炎になりにくいように、運動時の癖をつけることで元のスポーツを続けることができるようになるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
しゃがむと膝が痛い場合、まずは早い段階で適切な治療を受けることが大切になっていきます。
放置することで症状が悪化したり、仮に症状が収まったとしても月日が経つと何らかの疾患に発展してしまったりするリスクがあります。

上記で紹介した疾患の中に、思い当たる症状があるようであれば一度整形外科を受診し、医師の診断を受け必要に応じて適切な治療をしていくようにしましょう。
医療機関を受診後、運動を勧められたらコタロージムでもサポートできます。筋肉の柔軟性を高めて関節の動きを改善したり、トレーニングで筋力をつけることもできます。
まずは、体験レッスンで不安やご要望をお聞かせください!

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